蔵元便り

 家の玄関先でカブトムシのメス(泣)を見つけました。いよいよ夏本番ですね。夏の酒蔵は冬の喧騒と慌ただしさが嘘のようにひっそりと静まりかえり、ときおり通り抜ける風が心地よく感じます。実際に温度を計ってみると真夏でも20℃前後と涼しく、昔の人たちの知恵には驚かされます。大事なお酒を守るようにできているのですね。こうして真夏の暑い時期をタンクの中で乗り越えたお酒は、秋に入り外気も冷え、酒の温度と同じ位になったころ「ひやおろし」となり、まろやかな熟成されたお酒となります。

綾部市白道路町「臨済宗東福寺派の東谷山・極楽寺」のハスの花。もうすぐお盆ですね。

池の脇にはこのような水車もあり、左側の小屋で休憩もできるようになっています。

夏の酒蔵

 さて、夏休みももうすぐ折り返し地点ですね。お盆過ぎまでは楽しい思い出ばかりです。
 8月になると思い出すのは「花火」の思い出です。一歳上のいとこと弟の三人でよくやりました。といっても、せんこう花火などの手で持ってやるような花火ではありません。ロケット花火に始まり、爆竹やねずみ花火に煙幕等々。男の子なら大好きだったものです。ただし、遊び方がちょっと変わっていたというか危険だったというか・・・。また、近所に住んでいる叔父がなにかにつけては「これで花火買ってきな」って千円くれたりするものですから、駄菓子屋で「おばちゃん!ロケット花火1箱!」なんてとんでもない買い方してました。そして買ってきたロケット花火で「戦争だ!」なんていって横に飛ばしてみたり、川の中に向けて「魚雷」なんてやってみたり。爆竹でカエルやセミ、カナブン(カブトムシを捕りに行くとやたらいたんですよね)なんかを吹き飛ばしたり。残酷なこともたくさんしました。あと「ドラゴン」という噴き出し花火を横にして、車のプラモデルに縛りつけて走らせたりもしました。(絶対に真似しないでください。花火本体にもそう注意書きがあります。)本当はもっともっとパターンがあるのですが、危険すぎるのでやめておきます。広い場所と豊かな自然があったからこそできた遊びで、周りの大人たちも必要以上に注意することもなく見守ってくれていたような時代でした。
 そしてお盆が過ぎると涼しくなり始め、去り行く夏の儚さと手をつけずにいた宿題に泣きながら、残り10日間を過ごすことになるのでした。
 今夜はそんな楽しかったけど、ちょっと切ない夏を思い出し、蚊取り線香でも焚いてしんみり一杯と行きたいですね。 

雑菌等の侵入を防ぐため閉め切っているので、真っ暗な仕込み蔵

至極個人的なことですが、上に出てくるいとこ夫婦に赤ちゃんが生まれました。おめでとう!
そして弟夫婦のところももうすぐです。がんばれよ〜。

8月