蔵元便り

♪悲しみなんかない世界
         愛をあきらめたくない
    どんな涙もかならず乾く♪
(ウルトラマンメビウス主題歌より)

 10月に入りすっかり秋らしくなり、そろそろ熱燗が恋しい季節になってまいりました。
 先日、ふと家の窓から外を見るときれいな月が出ており、さっそく息子と二人で月見酒(私は熱燗、息子は三ツ矢サイダー)と洒落込むことにしました。夏場を越したお酒は熟成され、まろやかな味になっており熱燗にはもってこいです。
 少しひんやりとした秋風が心地よく、月明かりに照らされた夜空を見上げていると「お父さん、あの星にウルトラマンがいるの?」とひとつの星を指差し息子が聞いてきました。私は「そうだよ、あそこには光の国っていうのがあって・・・」と答えながら、いつの間にか熱中して怪獣のことやウルトラ兄弟のことを話していました。いまだに鮮明に覚えていることに自分自身驚きながら、自分も子供の頃同じようだったことを思い出しました。
 もう30年近く前ですが、私も「大人になったらウルトラマンになれる」と本気で信じ込み、小学校に入学してすぐの作文で「大きくなったらウルトラマンになって、地球を守りたい」と書いたほどでした。(大人になって母からその作文を見せられた時は本当に恥ずかしかった!)そして今、私の隣で目を輝かせて星を見つめ「メビウスくるかな〜」「じゃあ、あの星にはソロ船長とチューイがいる?」「あの星にはグリーヴァス?」(それはスターウォーズだな)と一生懸命質問する、ウルトラマンになりたい子供がいます。私が生まれるずっと前から今現在、そして今後もウルトラマンは子供たちに夢を与え続けていくんでしょうね。やっぱりウルトラマンは偉大です。
 
  ♪ボクらが変えてく未来  友情(きずな)はとぎれやしない  
                           無限に続く光のなかへ  ウルトラマンメビウス


 秋の夜空を見上げ、息子と歌っていると「この子や、世界中の子供たちは無限の可能性を持っているんだなぁ」などと思い、その世界中の無限の可能性が正しい方向に向かってくれることを願ったり、物思いにふける秋の夜長となりました。
 しかし、ここまではよかったのですが、気がつけば息子はすでに家の中に入り私は一人ぼっちに。おまけに飲みすぎてしまったダメな「もと無限の可能性を持った子供」には家族の視線と秋風は少々冷たすぎたのでした。

10月