[Q&Aに戻る]

Q3 法名と戒名の違いは?
--------------------------------------------------------------------
浄土真宗では「法名」(ほうみょう)というものを使います。一般には「戒名」
(かいみょう)と混同されがちですが、意味合いはかなり異なります。
また「法名」は無くなった方へつける名前ではありません

では・・
法名は通常、釋○○という具合に、釋の次ぎに2文字つけます。
以前は女性の方でしたら、釋尼○○と「尼」(に)の文字が敬称として付随する
場合もありますが、最近では男女平等の立場から、本山でも尼をつけない方向にあります。
この「釋」はもともと、お釈迦様の釋の字をいただいたものです。仏教に入る、
お釈迦様のお弟子さんにならせていただく、そういう意味で、師匠の門下に
入ることで「釋」を頭に名乗ります。

一般に、法名は死んだ人に付ける名前と思われていますが、もともと仏教に
入門された者が名乗る名前ですから、本来は生前に本山で「おかみそりの儀」を
受けられて、法名をいただくわけですが、生前に法名を頂かれておられない場合、
葬儀の時に、「剃髪の儀」(ていはつのぎ)『「おかみそり」と同じ意味』として、名前を頂きます。

法名をお寺でおつけする場合、その方の名前にちなんだ文字を引用したり、その方の
嗜好に合った字を使ったり、その方の雰囲気を表す字を使ったりします。それぞれに
意味合いがあり、字そのものの優劣はございません。

キリスト教で「洗礼」(せんれい)を受けられた方がクリスチャンネームをいただかれますが、
意味合いとしては法名とかなり似ているものです。

浄土真宗では、「初参式」(しょさんしき)・・・・・小さな子供さんが初めてお寺にお参りされる式。
       「帰敬式」(ききょうしき)・・・・・本願寺で行われる「おかみそりの儀」、浄土真宗に
                     帰依される式。
これらが、洗礼と同じ意味合いとなります。

他の宗派では、「戒名」(かいみょう)を使う所もありますが、これは本来、厳しい修行を
修めた方に対して、死後つける名前という意味合いが強くなります。従って、優れた方に
対してはいわゆる「良い戒名」が付けられます。
どちらかというと、亡くなった者へつける、死後の名前という感じが強くなるような気がします。

浄土真宗の「法名」は、先に述べたように、亡き人に付ける名前ではありません。
また、その法名を位牌に刻みそれを拝む事はしません。浄土真宗では「霊魂」(れいこん)と
いう考え方はありませんので、亡き人の御霊に名前をつけ、それを供養するといった事も
ありません。従って、浄土真宗では「位牌」は用いません
現在は、基本的に「過去帳」へ有縁の方々の命日や法名を書き込み、記録としてそれを保管致します。