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  郁さんの独り言


こうのとり伝説については、当HPの環境のページでも載せておりますが以下の文言は、平成24

年1月4日の神戸新聞『正平調』に載っていたものを、紹介したものです。


赤ちゃんはコウノトリが運ぶという言い伝えが西欧にはある。民家の煙突に巣を作って子育てをし

たことから、その説話が生まれたという。ただしこの話は、シュバシコウというよく似た鳥を指してい

るらしい●日本で生息していたのは、まさしくコウノトリである。かっては各地で姿が見られたが、戦

後激減し、国の特別天然記念物になった。豊岡での繁殖と野生復帰の努力が実り、放鳥ペアから

毎年ひなが誕生している。今年も元気なひなの姿が見たい●その昔、コウノトリは「告鳥」(くぐい)と

呼ばれた。本来は白鳥を意味するが、日本書紀ではコウノトリのことをそう書いている。県立コウノ

トリの郷公園に近い豊岡市の久々比神社が伝承の舞台だ●垂仁天皇がコウノトリの飛ぶ姿を見

た。皇子が「あれは何?」と叫ぶので、天皇は「鳥を捕らえよ」と命ずる。家臣の一人が後を追い、日

本海側で捕獲する。その伝承にちなんで神社が建てられたとされる●皇子は大人になっても何も話

さなかった。皇子がその姿を見て言葉を口にしたことから、コウノトリには霊力があると信じられた。

霊鳥も国内では絶滅の危機にひんしたが、人の力で再生した●この冬は日本海側で平年よりも雪

が多く降りそうだ。豪雪だと餌が取りにくい。コウノトリには試練の冬になるかもしれない。共生の輪

を但馬から全国、全世界へと広げるため、人間と共にしばし雪の重みに耐えて、と祈る。