ゆきゆきてバザール楽し楽器店の
主は弦に「さくら」を弾きぬ

ウイグル帽被りバザールに紛れゆく
羊肉の串焼き頬張りながら

バザールに会ふ人々のかぶる帽
白きはウイグル黒きはキルギス
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林則除像
主要ポスト漢族にぎる
ウイグル自治区
横柄に振舞ふ警官も見つ

漢民族の驕る不満を
声ひそめ語りし
ウイグルの青年忘れず
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カシュガル
マルコ・ポーロもヘデインも
立ち寄りしカシュルか
街頭に祭りの赤き卵売る

土屋ひしめくカシュガルの
ふるき街ゆくに
真昼静けく土埃あぐ
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カラコルムハイウエイ
カシュガルを起点に短き
旅幾つ重ねてむかふ
クンジュラブ峠に

カシュガルの街出でて
清流に沿ふ道のべ
濃き朱鷺色の岩山続く
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玄奘の宿りしといふ
岩穴見てたぎちに沿へる
崖の道ゆく

落下する岩石ふせぐ
すべもなし 
道はパミールの深き峪に入る
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赤き山遠く連なる
パミール高原
たぎち来る水は青く澄みたり

見るかぎり霜一色の
パミール高原
はてにコングールの岩山赤く
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高原を流るるは澄み
渓谷は黄に濁る
パミールの氷河を出でて

湖の辺に峙つパミールの
峰ひとつ山腹巻きつつ
わがバスは越ゆ
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パミール高原
パミール越えの峠に迫る
ゴンクール山
頂は緩やかな雪渓抱く

緩やかな雪渓に
たまゆら和めども
海抜七千七百米の世界
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ムスターグ・アタ山(7760m)とカラクル湖
ムスターグ・アタの雪嶺
仰ぐ湖畔今宵はキルギスの
パオに眠らむ

カラクル湖畔の
明方に起りし高山病
水を飲み深呼吸続けて耐えぬ
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スバシ峠
カラクル湖過ぎ
スバシ峠を越えて着きぬ
タジク族住むタルクシュガンに

指をもて遠くたどれば
アフガンもパキスタンも
雪山は一つ連なり
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石頭城(タシュクルガン) 3600m
国境の町タシュクルガンの
城址に立ち 晴れたる
アフガンの雪山を見つ

石頭城の遺跡見て
タシュクルガンを去らむとす
昼の詠唱街に聞きつつ
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クンジュラブ峠(4943m)
ゆっくりと歩めば息の
乱るるなしクンジュラブ峠に
不安消えたり

雪山の尖る稜線
重なるかなた
ガイバル峠を玄奘越えき
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クンジュラブ峠・中国・パキスタン国境
国境ふこの峠に立つ石ひとつ 
道は雪ふかきカラコルムに入る

ここに立てばアフガンの白き山親し
されどタリバンは仏像を爆破せり

コスモスは散り過ぎ檉柳は黄ばみたり十月一日カジュガルの街は 
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和田河(ホータン河)
遠く来し和田(ホータン)は古(いにしえ)の
宇闐(ウテン)国今も路上にひさぐ
崑崙の白玉碧玉

緑あざやかな
崑崙の玉を鏤めし
ホータン王を見き莫高窟に
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ホータンにて
陰る庭に
媼が糸繰るさまも見て
絣模様のスカーフを買ひぬ

湯水に浮かぶ繭より
すばやく糸をたぐる
ウイグルの娘の仕種なつかし
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繭玉を髪にかくし
嫁ぎ来し皇女ありき
今なほ絹を織りつぐ人々

絨毯を並び織る
ウイグルの娘達
慎ましき青きイアリングして
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ホータンの農園
訪ね来し農園に
豊かに茂る葡萄
崑崙の伏流水を引きたり

皮ごと喰へと
農園の主は無花果の
熟れしを呉れぬ枝よりもぎて
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新蔵公路の起点 叶城にて
タジク族はシーア派
ウイグルはスンニ派といふ
争ふ勿れかの国のごと

燃料のドラム缶四本
屋根に積み
カシュガルを発つ崑崙越えむと
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崑崙越え
回族の村に
求めしヨーグルト
石もて割りしを朝夕に食む

崑崙越えの道に
ほとほと橋を見ず
しぶきを上げて浅瀬を渡る
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崑崙越え
七度八度
四千メートルの峠越え
バスは崑崙山中に入る

窓下遥かに続く
断崖敢えて見ず
五千三百米の峠も越えぬ
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