正論理、負論理、シンク、ソース

正論理と負論理

正論理と負論理とは、電気(電子)回路において、デジタル回路の論理回路の表現で、
2進数をどう取り扱うかを示したものです。

デジタル回路は、電圧の高い状態「H」と、電圧の低い状態「L」の、ふたつの状態のみで回路を作成します。

たとえば、TTL(Transistor and Transistor Logic)IC回路の場合、動作電圧は、DC5Vです。
このとき、電圧の高い状態「H」を、+5V、電圧の低い状態「L」を、0Vとして動作します。

実際には、TTL IC回路の入力電圧は、
2V以上あるいは、解放(オープン)で、「H」
0.8V以下で、「L」となります。

いっぽう、出力回路は、
「H」で、3.4V(at -0.4mA:マイナスは、流れ出す電流を示します。)
「L」で、0.2V(at 16mA:16mA流し込んだ場合)です。
(詳細は、データシートで確認ください。Texas Instruments社のSN7400など)

論理回路では、2進数(「0」と「1」)を扱います。

ここで2進数の
「0」を電圧の低い状態「L」、
「1」を電圧の高い状態「H」で扱うものを「正論理」と呼びます。

いっぽう2進数の
「0」を電圧の高い状態「H」、
「1」を電圧の低い状態「L」で扱うものを「負論理」と呼びます。

TTL IC回路の場合、
入力「H」では、5V−2V=3V の余裕があり、
入力「L」では、0.8V−0V=0.8V の余裕しかないため、
負論理で回路を構成したほうが、ノイズに強くなります。

入力や出力の機器には、「正論理タイプ」と「負論理タイプ」があります。
接続する回路によりどちらを使うか確認する必要があります。

シンクとソース

プログラマブルコントローラ(PLC)の入出力回路には、
シンクタイプとソースタイプとがあります。
(シーケンサーは、和製英語です。英語では、Programmable Logic Controllerです。)

入力回路は、ソースタイプ(プラスコモン)が多いようです。

出力回路は、シンクタイプ(マイナスコモン)が多いようです。

下図を参照ください。
シンクとソース

シンクタイプの出力は、電流を吸い込む形です。
ソースタイプの入力は、電流を流しだす形です。

シンクタイプ出力の代表的なものに、「オープンコレクタ出力」があります。
下図を参照ください。
オープンコレクタ

その名のとおり、トランジスタのコレクタが解放(オープン)になっているものです。
NPN型のトランジスタでオープンコレクタの出力を、ソースタイプの入力に接続した場合、

出力が「OFF」(=「0」)のとき、電圧は「H」になります。
出力が「ON」(=「1」)のとき、電圧は、「L」になります。

つまり、出力は、「負論理」となります。

したがって、ロータリーエンコーダなどのセンサを接続する場合などは、
センサの出力がNPN型のオープンコレクタで、
ソースタイプ入力に接続する場合は、
「負論理」出力タイプを選定します。

デジタルスイッチ(Thumb Wheel Switch)の場合、
ソースタイプ入力に接続する場合は、
「1」で、導通(ON)、「0」で解放(OFF)となるので、
「正論理」タイプを選定します。

また、7セグメントLED表示器を接続する場合、
シンクタイプ出力に接続する場合は、
出力が「ON」(=「1」)のとき、電圧は「L」になり、
出力が「OFF」(=「0」)のとき、電圧は「H」になるので、
「負論理」入力タイプの7セグ表示器を選定します。