箱船への道

 このページでは、ヴィジュアル・オーディオルーム「箱船」が完成するまでの道のりを追って行きたいと思う。

基礎配筋へ 耐圧基盤へ 床仮枠組み 床配筋床コン打設 1階仮枠組み

2階床 2階仮枠組み 仮枠撤去 2階 ブロック積み サッシ取付 1階窓ガラス







建てる場所は母屋裏庭に決める。柿の木が三本あったがその内二本を伐る。与謝柿という当地方特有のおいしい柿だったが、これも仕方がない。職人さんがチェーンソーでバリバリ伐っていく。





 伐り終わるとロープで枠を引いて、パワーシャベルがゴリゴリと掘って行く。
「方舟」のように半地下ではないが、思ったよりも深く掘るようだ。掘り進むにつれて、底のほうが何となく湿っぽくなってくる。先生は地盤の悪さに苦労されたようだが、僕も同じ憂き目に遭うのか?




 予感的中。やはり地盤改良が必要になる。
どんなことをするのかと思えば、セメントのような粉末を掘った穴の底にぶちまけて、ユンボでコネコネする。辺りはもうもうと凄い砂埃。ユンボのおじさんはタオルで覆面、それでも時々クシャミをしている。




 粘土色だった底がすっかりセメント色に変わった。この後小型ローラー車がゴロゴロと入ってきて平たくならす。
 あくる日、底を触ってみるとカチカチになっている。おお、なんて力強い地盤。これなら大丈夫だろうと、勝手に思う。


 それから二日間硬化を待って、いよいよ捨てコン打ちが始まる。おじさん達がどんどん打っていく...のはいいけど、ちょっと違うんじゃあないの?。設計では確かベタに打つことになっているはずですケド。その上には鉄筋コンクリート300mmの耐圧基盤が乗るのよ。ナンデ枠組だけだ?。
 こういう食い違いは職人さんに直接文句を言うと、機嫌を損ねて後々グワイが悪いとどこかで聞いた事がある。そこで、この日たまたま不在だった現場監督さんにあわてて電話。おっとり刀でやってきた彼の一言で、万事解決する。空いているところにだけ打ち直すと、強度が出ない(新幹線トンネルで話題になった”コールドジョイント現象”だ)と言う事で、全面的に打ち直す。
 結果的に捨てコンが少し厚くなり、ちょっぴり得をした。何が幸いするかわからない。


基礎配筋

 
さて、ちょっとトラブった捨てコンも無事固まり、耐圧基盤とそこから立ち上がる基礎、床を支えるフレームの配筋が始まった。大量の鉄筋が、まず庭先に搬入され、大型のレッカー車が吊り上げ母屋の屋根越しに現場へおろしていく。
 鉄筋は既に設計どおりカット、フォーミングされていて、配筋専門の職人さんが手際よく組上げる。一番太いものは25mmΦ、これは迫力があった。
 シロウト目には垂直も水平もおかまい無しにやっているように見え、なんだか不安だがそこはさすがにプロ、作業の節目節目で監督が望遠鏡のような物(アレ、なんていうんだろう?)でちゃんと確認している。
 考えてみれば当たり前だ。




 作業はどんどん進んでいく。職人さんの一人が僕に訊ねる。「何ができまんのん?エライ頑丈な倉庫でんな〜」
 訊いておきながら倉庫と決め付けている。そりゃそーだ、まさかオーディオルームだとは想像もつくまい。職人さんの、この感覚がこの後も僕を悩ませる事になるのである。




 基礎部分の配筋が終わった。僕の注文通り、床を支える梁(フレーム)も入っている。
 次は、まず耐圧基盤部分に300mmのコンクリートを打つのである。そして仮枠を組み、一気に床下と床を作ってしまうのだ。
 さて、飛んでも跳ねてもビクともしない理想の床が、できるのだろうか?
耐圧基盤




 耐圧基盤のコンクリート打ちが始まった。狭い現場でどうやって作業するのだろうか?
まず、前庭にポンプ車が入ってくる。折り畳んであったアームを母屋の屋根越しに伸ばしていく。職人さんがアームの先についたパイプを受け取り、現場でスタンバイする。




 
そこへタイミング良くミキサー車がやってきて、ポンプ車にコンクリートをどかどか流し込む。
 職人さんがコントロールするパイプの先から勢いよくコンクリートが流れ出す、というわけだ。
 先が振動するドリルのような工具をさかんに差し込んで、まんべんなくコンクリートが行き渡るようにする。
 職人さん達が真剣に作業するのを見ていると、なんだかとても頼もしく思えてくる。
床仮枠組み



 打設したコンクリートが固まると、床の仮枠組みが始まった。
 この仮枠は、もう二度と日の目を見ない。今も床下に入ったままである。ちょっと気色ワルイが、構造上致し方なし、である。後で取り出すのは不可能だ。



 仮枠がほぼ組みあがった。
手前2本の柱の間を左右に走っている鉄筋は、階段室と部屋を隔てる壁の基礎部分。
 その奥に2本、左右に走るのが、オーディオルームの床を下から支える梁、スピーカーでいうと補強桟のようなものである。
 この仮枠の上に10mmΦの鉄筋を網目のように配して、コンクリートを150mm打設する。さらに30mmのモルタルを敷設、合計180mm鉄筋コンクリート床が出来上がる予定。
 築70年、伝統的木造日本家屋の脆弱な床に悩まされ続けた恨みを、ここで一気に晴らそうという魂胆である。

 ところが、これはなかなか容易なことではなかったのである。
床配筋


 仮枠の上に床の鉄筋が入った。
ここでフロア、壁コンセント用のフレキシブルパイプを先に敷設する。電気工事屋さんの登場だ。
 コンセントの数は1階オーディオルームだけで、壁に4口物が12箇所、2口フロアコンセントが4箇所、合計56口付けることになっている。
 勿論、それらをすべて同時に並列使用することは考えていないので、ブレーカーからは4系統で分配する。それにしても一般的には考えられない多さらしく、電気屋さんもあきれている。
 なに、部屋を使うのは自分なのだから、コストが許す限り好きなようにやれば、ソレデイイノダ。



 10mmΦの鉄筋が二重に入った床。
写真ほぼ中央に見える溝が床下の梁である。もう1本は左の方にあり、写っていない。
 今に至り、2本の梁を対角につなぐバッテン印の梁を入れておけばよかったと思う。そうすれば更に強力な床が出来ていたのである。床はいくら頑丈であっても良いのだから。
 しかし、当時はコストダウンが何時も頭にあり、思い切れなかった。まあ大丈夫だろうという、見込みの甘さもあった。

 今となっては、手直しは利かない。
床コンクリート打設



 床部分のコンクリートを打つ。
この時も、ミキサー車とポンプ車が活躍する。
 これが固まれば、長い間夢見てきた強力な床が出来るかと思うと、うれしいような不安なような、複雑な思いにかられてしまう。
 職人さん達は、設計どおりただ黙々と作業を進めていくばかりである。

 コンクリート打設完了。
 この年、1993年は記録的多雨であった。記憶に新しい方もいらっしゃると思うが、後に梅雨明け宣言が撤回され、米の作柄が「天明の大飢饉」を凌ぐほど悪かったと言われた年である。
 工事中、コンクリート打設になると、必ずと言っていいほど雨が降った。この時も打ち終わると同時に大雨。写真に見える如く、表面は大きな水溜り状態である。こんなことでちゃんと固まるのかしらん、と思うのはシロウトの悲しさである。
 監督に訊いてみると、最高の条件だそうだ。水の下でゆっくりと時間をかけて固まったコンクリートは非常に強度が上がり、経年によるクラック(ひび割れ)が極めて少なく、長持ちするというのである。
 その点については大変な恩恵を蒙ったのだが、完成後はなかなか湿気が抜けず、カビの猛襲に悩まされる事になる。
 物事全て一長一短とは、まさに真理である。
1階部分仮枠組み


 既に設計通りの寸法に作られた仮枠を搬入、現場で組上げていく。内、外仮枠の間隔は120mm、これが外側コンクリート壁の厚みになる。1階オーディオルームはこの壁の内側に100mmの空気層を持たせて100mm厚重量ブロックを積み上げる事になっている。本家方舟はこの部分がALCになっているわけだ。
 こうして仮枠を立ち上げてみると、ほんとに倉庫みたいである。

 なんだか品がないなァ。



 この写真は、部屋の中から見た様子。仮枠を支える鉄フレームの林。床からは鎖を張り巡らして、仮枠の歪みを補正する。
 コンクリートの床が見えているが、試しにこの上でピョンピョン飛び跳ねてみる。アレ? もう一回ピョンピョン。アレレレレ? なんかこの床、ボスボスいってる。これがコンクリート150mm厚? 思っていたより弱い感じである。
 あくる日、監督に相談する。この上にまだ30mmのモルタルが加わるのだが、それでも安心できないので、さらに50mm増やして欲しいと頼む。なんて、今なら冷静に書けるが、当時は半泣き状態である。それを見て不憫に思ったのか、監督も意外にあっさりとOKしてくれた。モルタル80mmだとクラックが入りやすくなるから、50mm分はワイヤーメッシュを入れてビリコンクリートを流すことになった。ただし、その分、天井が低くなったが、50mmくらいどうってことない。床を頑丈にするほうが大事である。
 それでも天井は3,875mmある。
2階 床

 上の写真にチラリと見えているが、1階の天井は波型の鋼板である。その上に10mmΦの鉄筋を二重に配しコンクリートを打てば、それがそのまま2階の床になる。左の写真はその様子。構造的には実に単純で、ややこしい事は全く無いが、監督は最後まで「こんなんでええのんかあ?」と心配していた。ええのである。ええのであるが、後になって問題発覚。
 コンクリートの厚さは120mm、本家「方舟」より厚い。この時は「2階の床も強力だー」などと悦に入っていたのだが、はっきり言ってアホである。ここを厚くしたがために音が抜けにくくなり、低域のこもりがひどくなったのである。
 遮音については、2階の部屋が前室効果を持つので問題はない。そうなると、この床からは音が適度に抜けている方が良かったのだ。今更言っても、もう遅い。こりゃーしかたがねえと、あっさり諦める事にする。

 ま、なんとかなるか。


 1階のコンクリートが固まった。仮枠を剥がすと、重量感ある壁が姿を現す。さっそくペタペタしてみる。なんという良い感触だろうか。ぐらぐらせず、ぼこぼこいわず、コブシでどつく(殴る)と怪我しそう。ああ、僕はこういう壁が欲しかったのよと、もうほとんどヘンタイである。
 この壁は工事が進むと二度と見ることができなくなる。写真の上方、梁が出っ張っているが、この梁とツライチに100mm厚重量ブロックがはまることになるからだ。
 コンクリートの臭いが芬々とする殺風景な部屋の中で僕は、「ここにプロジェクターがきて、ここにラックを置いて、ここに座って...」と、歩き回るのだった。

 ハタから見たら気色悪かっただろうなあ...。



 まだ2階部分が付かない状態で、その床に立ってみる。この日は、その夏に珍しく非常な上天気、コンクリートの照り返しが強烈だった。例によって飛び跳ねてみるが、この床はこんなものだろうと、ご満悦。低域のこもりも知らずに。
 向こう側に見えるのは、母屋の屋根である。写真の左端に黒くみえる窓の部屋が、当時のオーディオ部屋。8畳×2、都合16畳あったが玄関の真上、音はぬけぬけ、近所はもちろん、家族にも迷惑はなはだしい。

 箱船完成の暁には、一日をおかずさっさと引越ししてしまおう。



 2階部分の仮枠が組み終わろうとしている。上の写真とほぼ同じアングルからの撮影である。天井高は2,500mmと、ごく一般的だが1階を見ているだけに、非常に低く感じてしまう。
 この2階部分のコンクリート打設が終わり、仮枠が取り外されれば矩体工事はほぼ完了し、箱船が外観を現すのである。設計図では既に見ているが、実物はどんなふうに見えるのだろう。

 ワクワクしながら、待つのであった。
2階部分仮枠組み
仮枠撤去

 仮枠が撤去され、全貌が姿を現した。地面からの全高は7m40cm、半地下にできなかったので、かなり背が高い。まだコンクリート打ちっぱなしなので汚くて目立たないが、これを真っ白に塗装する予定、そうなると相当目立つんじゃあないだろうか。しかし、今更目立つもクソもないか。御近所さんも毎日のように見物に来てるしな。
 この日、AVACにスクリーンを注文した、と当時の工事日記に書いてある。キクチ科学のSBEI−WL120Sである。リモコンつき電動巻き上げ式、ゲイン2.8 120インチ。天井が高いので、スクリーン上部の黒い部分の巻きを増やしてもらわないと、下まで充分に降りてこない。特注になるがキクチに相談すると、無償でやりましょうと言ってくれた。それでも定価¥400,000と非常に高価、壁掛け式と比べてかなりローCPだ。まあしかし、こういう時でないと買えないので、ここはゼイタクをしておこう。


 不安だった1階床に80mmのビリコンクリートが流された。左官屋さんが三人がかりで仕上げていく。長岡先生も「スーパーAV」で書かれていたが、完全平面には程遠い。かなりデコボコである。尤もこれは最初から承知の上である。余分な物の介在を避けようとすれば、こうなるのは仕方がないのだ。
 硬化後、例によって飛び跳ねる。厚みを増やす前には比べられないほど強度が上がっている。ボスボスいわなくなった。まあまあだろう。この床で、ADをインシュレーター無しの状態で再生した時、どの程度ハウリング・マージンを稼げるのだろうか。本家「方舟」では、ほとんどハウリング無しと聞いているが、そんなに上手くいくもんなのかなあ。厚みだけでは勝っているのだが。

 やっぱり不安である。
2階




 2階の内部も仮枠が取れた。壁がコンクリート色に見えないのは、25mm厚スチロフォームを一緒に打ち込んであるからである。断熱材だ。2階の壁は、この上から12mm厚石膏ボードを貼り、壁紙で仕上げる。1階のような二重構造にはしない。床から抜けてくる1階の音を遮るにはこれで充分、コストダウンの為もある。




 上写真の対面側、床の切欠きが階段昇降口である。階段と部屋を仕切る壁がナイ? 当初、この部分もコンクリートを打ち込んで作る設計だったのだが、ここは遮音に大きな影響はないだろうと、タイコの壁にコストダウン。監督が言うには、これだけのことで随分コストを落とせるそうだ。
 まだ、全く殺風景だが、部屋には見えるようになった。コンクリートの硬さがうれしい。だが、居住性は最悪かな。
ブロック積み


 1階のブロック積み開始。ブアイソな職人のオジサンが、一人で黙々と作業してくれる。写真を撮ろうとするといやそうな顔をするが、ここも今撮っておかないと二度と日の目を見なくなるところだからと、ズケズケ撮ってしまおう。
 天井から錘のついた糸を垂らして垂直を出し、一段積んでは水平器で確認しながらの作業である。監督に「一人で大変やね」と言うと、「あのオッサン、一人やないと納得せえへんねん」という答え。

 頑固な職人さんらしい。


 ガンコなおっさんが昼休みで弁当を食っている間に、ソロリと忍び込んで、コンクリート壁との空気層の寸法を計ってみた。おっさんに見つかったら、怒鳴りはしないだろうがヘソを曲げること請け合いである。
 設計では100mmだが、実測すると130mmあった。この程度の差異は誤差の範囲なのだろう。しかし、うれしい誤差である。ものの本を読むと、空気層の多寡はたとえそれが10mmであったとしても遮音に大きく影響すると書いてある。30mm増えることで、遮音特性が良くなるのは間違いない。4面の壁で30mmずつ部屋が狭くなるわけだが、そんなことは問題ない。

 ひとりでニヤニヤしていたら、おっさんが動き始めたようだ。ここはあわてて、退散退散。



 まず、窓の無い壁二面のブロック積みが完了。この写真はスクリーンを設置する側。入り口の対面である。おっさん、ガンコなだけあって仕事は確かで、寸分の狂いも無く仕上っている。ブロック内部の穴すべてにコンクリートを詰めて積み上げる「充填積み」の効果で、叩いても鳴かない。「ドッ」と重い音がするだけである。

 薄暗い中で、一人またニタニタする。気色わる。



 こちらは入り口側。左上に見える二つの黄色い穴は、換気孔である。換気システムについては後で詳しく述べる。
 この時点で壁の厚みを実測すると、約390mmあった。この上さらに石膏ボードと壁紙が加わるので、最終的には400mmを超えるだろう。
 遮音特性ではALCよりこちらの方が上である。重量がものをいう。しかし、低域の吸音という点ではALCに分がある。実際、出来上がってから低域のボン付きに苦心する事になるのだ。

 さて、アナタならどちらを取る?
サッシ取付


 左右の壁はブロックを積み終える前に、サッシ枠を取り付ける。この写真はスクリーン側に向かって左(南)側の窓である。まだガラスは入っていない。
 遮音特性を少しでも良くしたい僕としては、この異様に大きい窓が非常に気に入らなかったのである。ところが、わが国には「建築基準法」というわけのわからないホウリツがあって、総床面積が決まれば、窓の大きさも自動的に決まってしまうらしい。抜け道はいろいろあるそうだが、完成後、検査の段階でトラブるのも厭なので、これを呑むことにした。
 あとはサッシの選定とガラスの厚み、二重窓の空気層を多く取ることで現状最良の遮音特性を狙う....が、上手くいくんだろうか。


 オーディオルーム入り口のドアが付いた。2,000H×900mmW、重量100Kg超の防音ドアだ。「グレモン式ドア」という。閉じた状態でハンドルを垂直にすると、上、中、下の三点でドアが枠に引付けられ、がっちりと固定されるというものである。
 このドア、値段を聞いてひっくり返った。確かに遮音特性は素晴らしい。本体の鳴きもほとんど、ない。文句無しなんだが、いかんせん、高価い。
 そこで、監督と交渉。「マケて」というと、「うむ」と唸ったが、思い直したように彼は「在庫品を捜してみましょ」という。2〜3日して、「あった。色もお望みどおり。これやったら半額で納めます」と連絡があり、写真はその在庫品である。もちろん新品、何の問題も無い。

 「いや〜、ゆーてみるもんやなー」と、関西人の僕は、つぶやくのだった。
1階窓ガラス


 ブロック積みが終わり、1階の窓ガラスが入った。二重サッシである。内側は4枚引き違い窓、最大225mmの空気層があって、外側は左右嵌め殺し、中央の窓だけがスライドする方式である。ガラスの厚みは、内側8mm、外側6mm、窓枠との接合はゴムパッキンではなく、シリコンコーキング剤を使った。
 設計では、内5mm、外3mmとなっていた。それで充分だという。厚くしてくれと言ってもなかなか聞き入れてくれない。こうなったら仕方ない。当時のオーディオ部屋へひっぱりこんで、僕の言う「大音量」を納得させる策にでた。結果は大成功、コリャひどい(!)ということで3mmずつ厚くすることに決定。遮音のためなら多少のコストアップはかまわないのだ。
 遮光のためのカーテンボックスも付いた。まだブロックむき出しだが、着々と部屋らしくなって行く。




 こちら対向面の窓。位置、寸法は同じである。外壁を白に塗装するので、窓枠も白を選んだが、これは失敗。
 外から見れば真っ白で、確かに綺麗なのだがアクセントがつかず、のっぺりとしたマヌケな建物に見えるのである。ここは黒、茶系統の色にしておいたほうが良かったようだ。
 ま、施主がマヌケだから仕方がないんだろうと簡単にあきらめよう。音、遮音には関係ないし。

以降 「箱船への道 その2」へ続く

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