微分とは、わかりやすくいえば、関数のグラフの傾きを求めるものである。
関数のグラフの傾きは、y=f(x)において、
xを微小増加させた値、y’=f(x+凾)との差
凾凵≠凵f−yを凾で割ることにより求められる。
つまり、凾凵^凾=(f(x+凾)−f(x))/凾において、
凾を極限まで小さくした場合の値である。
1.二次関数 y=ax2+bx+c について微分をしてみる。
y’=a(x+凾)2+b(x+凾)+c とし、
凾凵≠凵f−y=(a(x+凾)2+b(x+凾)+c)−(ax2+bx+c)
=ax2+2ax凾+a凾2+bx+b凾+c−ax2−bx−c
=2ax凾+a凾2+b凾
上式を凾で割る。
凾凵^凾=2ax凾/凾+a凾2/凾+b凾/凾
=2ax+a凾+b
凾を極限までゼロに近付けると、a凾=0とみなせるので、
凾凵≠р凵A凾=dxと表現して、下記の式が得られる。
∴dy/dx=2ax+b
2.三角関数 y=sinxを微分してみる。
凾凵^凾=(sin(x+凾)−sinx)/凾
三角関数の加法定理sin(α+β)=sinαcosβ+cosαsinβ を利用し、
凾凵^凾=(sinxcos凾+cosxsin凾−sinx)/凾
=(sinx(cos凾−1)+cosxsin凾)/凾
上式第一項の分母分子に(cos凾+1)をかける。
凾凵^凾=(sinx(cos2凾−1)/(cos凾+1)+cosxsin凾)/凾
sin2α+cos2α=1より、cos2α−1=−sin2αを上式に代入し、
凾凵^凾=(sinx(−sin2凾)/(cos凾+1)+cosxsin凾)/凾
=sin凾/凾(−sinxsin凾/(cos凾+1)+cosx)
凾を極限までゼロに近付けると、sin凾=0、cos凾=1とみなせる。
さらに、凾がゼロ付近においては、sin凾=凾と近似できるため、sin凾/凾=1となり、
凾凵^凾=1・(−sinx・0/(1+1)+cosx)
=cosx
∴dy/dx=cosx
3.指数関数 y=exを微分してみる。(eは、自然対数の底でe=2.71828...の無理数である。)
凾凵^凾=(e(x+凾)−ex)/凾
=ex(e凾−1)/凾
ここで、凾がゼロ付近においては、e凾=1+凾と近似できるため、
凾凵^凾=ex(1+凾−1)/凾
=ex(凾/凾)
=ex
∴dy/dx=ex
4.対数関数 y=logexを微分してみる。
凾凵^凾=(loge(x+凾)−logex)/凾
=(loge((x+凾)/x)/凾
=(1/凾)・loge(1+凾/x)
凾=xtとおき、凾→0とするとき、t→0とおけるので、
凾凵^凾=limt→0(1/xt)・loge(1+t)
=limt→0(1/x)・loge(1+t)(1/t)
tを限りなくゼロに近付けた場合、(1+t)(1/t)は、値eに収束する。
凾凵^凾=(1/x)・logee
ここで、logee=1となるので、
∴dy/dx=1/x
5.指数関数 y=axを微分してみる。
y=ax=elogeax=exlogea
凾凵^凾=(e(x+凾)logea−exlogea)/凾
=exlogea(e凾logea−1)/凾
分母分子に、logeaをかける。
凾凵^凾=logea・exlogea・(e凾logea−1)/(凾logea)
凾logea=tとおくと、凾→0でt→0となるため、
凾凵^凾=limt→0logea・exlogea・(et−1)/t
=logea・exlogea・1
=logea・ax
∴dy/dx=logea・ax
6.対数関数 y=logaxを微分してみる。
凾凵^凾=(loga(x+凾)−logax)/凾
=loga((x+凾)/x)/凾
=loga(1+凾/x)/凾
凾=xtとおくと、凾→0で、t→0となるため、
凾凵^凾=limt→0(loga(1+t))/xt
=limt→01/x・loga(1+t)(1/t)
=1/x・logae
=1/x・logee/logea
=1/x・1/logea
∴dy/dx=1/(xlogea)
関数y=f(x)において、f(x)=0となるxの値は、グラフのx軸の交点である。
いっぽう、微分をおこなった関数dy/dx=f’(x)においては、
f’(x)=0となるxの値は、y=f(x)のグラフの傾きがゼロ(水平)になる点、
すなわち、グラフの極大、または極小となる点が得られる。
さらに微分をおこなうと(2回微分)、d2y/dx2=f’’(x)においては、
f’’(x)=0となるxの値は、y=f(x)のグラフの傾きが、増加から減少または、減少から増加へと変わる点、
すなわち、変曲点が得られる。