LED(Light-Emitting Diode)とは、発光ダイオードの略です。
電流を流すと、発光するダイオードです。
LEDの電圧−電流特性は、概略で示すと下図のとおりです。
LEDは、順方向(アノードからカソード)にVF以上の電圧をかけなければ、電流は流れません。
電圧がVFを超えると電流は急激に増加します。
ボリューム(可変抵抗器)を使って調光しようとしても、うまくできません。
調光については、こちらを参照ください。
VFは、一般に約2Vです。
(青色LEDは、3.5V〜5.5V程度。購入時に確認しましょう)
LEDを直流で点灯させるためには、乾電池1本(1.5V)では電圧が足りません。
乾電池を2本直列(3V)にする必要があります。(青色なら3〜4本)
ただし、電源電圧のほうが、LEDの順方向電圧(VF)よりも大きくなるので、
LEDの順方向電流を制限する、保護抵抗が必要となります。
一般のLEDの順方向電流(IF)は、約10mA(0.01A)程度です。
LEDを直流で、点灯させる回路は、下図のとおりです。
LEDの足(リード線)は、長いほうがプラス(アノード)、短いほうがマイナス(カソード)、
あるいは、細いほうがプラス(アノード)、太いほうがマイナス(カソード)です。
ここで、抵抗値R(Ω)は、次の計算式で求められます。
乾電池2本直列(3V)の場合、VCC=3(V)、VF=2(V)、IF=0.01(A)として、
R=(3−2)/0.01=100(Ω)
この抵抗の定格電力は、次の計算式で求めます。
ここでは、I=0.01(A)、R=100(Ω)なので、
P=0.01×0.01×100=0.01(W)
保護抵抗は、炭素皮膜抵抗(カーボン抵抗)100Ω、1/4W(1/8Wでもよい)を選定すればよい。
自動車など、直流12Vの場合、VCC=12(V)として同様に求めれば、
R=1kΩ、P=0.1Wとなり、
保護抵抗は、炭素被膜抵抗(カーボン抵抗)1kΩ、1/4Wを選定すればよい。
定格電力は、1/8W(=0.125W)ではきびしいので、余裕を見て、1/4W(=0.25W)にします。
交流AC100Vの場合、LEDに逆方向電圧がかからないよう、保護用のダイオードが必要になります。
LEDを、交流電源で点灯させる回路は、下図のとおりとなります。
交流は実効値表示のため、AC100Vの場合、実際の電圧は√2倍の141Vであることに注意します。
実効値については、こちらを参照してください。
VCC=141(V)として、
R=(141−2)/0.01=13900(Ω)
抵抗値は、きりの良いところで15kΩを選択します。(電流を多めに選定する場合は、12kΩ)
保護用のダイオードは、通常VF≒0.6Vなので、電流は、
(141−0.6)/15000=0.00936(A)
この電流は、半サイクルで、ほぼ正弦波なので、実効値として、1/√2倍して、
0.00936/1.41=0.00664(A)
保護抵抗の定格電力は、
P=0.00664×0.00664×15000=0.661(W)となり、
保護抵抗は、酸化金属被膜抵抗、15kΩ、1Wを選定すればよい。
保護用ダイオードは、一般のシリコンダイオードを選定すればよい。(1S1588など)
ダイオードの極性の見分け方は、下図のとおりです。